最近の風潮として、「自分らしさ」「自分の考え持つ」「自分探し」「新しい自分」なんて言葉が良く現れる。
自分らしさに生きる事は大いに結構だと思う。ただ、そこをはき違えた若者を見ることが多い。
自分探しと自分らしい仕事探しは別物なのだ。
自分探しの方法の一つに自分探しの旅があるが、考え方が変わったと言う人がいるが、行動が何も変わってないとただの旅行なのだ。
自分は環境が悪いだけで実力が発揮できてないという人、それはただの言い訳で逃げだ。
なんにせよ、自分探しと自分らしい仕事探しは全くの別物だということだ。
では、新しい自分になるために何をしたら良いのか?
勘違いしてはいけないのが、新しい自分なんてどこにもないのだ!
やるのは「自分づくり」だということだ。
環境が悪いのではない!甘んじてる自分が悪いのだ
入社から数年経った人間が転職や独立を希望する理由として、「リセット願望」の存在が挙げられる。
これは表立った理由ではなく、あくまでも潜在的な願望だ。
なんとなく行き詰まったから、リセットしたい。
仕事も人間関係も全部リセットして、新しい環境に飛び込んでみたい。
これまでのダメな自分をリセットして、新しい自分をつくっていきたい。
そしてリセットの手段として、転職や独立があるわけだ。
環境を変えればどうにかなると思っているのである。
しかし、転職や独立による環境の変化なんて、せいぜい学校でいうクラス替え程度のもの。
クラス替えした当初はそれなりに「新しい自分」を演じられるかもしれないが、やがて化けの皮がはげてくる。
クラス替えしようと転校しようと、自分という人間がリセットされるわけではないのだ。
こんな話を聞かされても、新しい環境に行けば、自分の「真の実力」が発揮できると思うやつもいるかもしれない。
いまは会社がバカだから本来の実力を発揮できずにいるけど、いざそれなりの環境を与えられたら、とんでもない力を出せるはずだ、と。
では、
「それなりの環境」ってのは、具体的にどういう環境なんだ。
どんな条件が揃えば、真の実力とやらが発揮できるんだ。
ただなんとなく「自由で活気があって、みんなの個性を尊重して・・・」くらいに考えてるんじゃねえのか?
もし、自分の真の実力を発揮できる条件を挙げることができるとしたら、いまの会社で
それを整えればいいじゃないか。
どうしてありもしない理想郷を探すんだ。理想郷ってのは、探すもんじゃなく自分の手
で周囲を改善していくものなんだ。
パソコンを買い替えても仕事力が向上するわけじゃない。
新車を買っても運転が上手くなるわけじゃない。
髪型や服装を変えただけでモテるようになるわけじゃない。
同様に、いくら働く環境を変えても、急にスーパービジネスマンに変身できるわけじゃ
ないんだ。
転職や独立が自分を変える「きっかけ」になることはあっても、決して自分を変える
「条件」にはならない。
そこをはき違えたまま新たな一歩を踏み出すと、大変なことになるだろう。
「仕事探し」と「自分探し」はまったくの別物
よく、人生に迷ったフリーターなんかが「自分探しの旅」と称して、世界を旅することがある。
自分を見つけるため、旅をするのだそうだ。
まったく、アホかと言いたい。
そんなもの自分探しでもなんでもない、旅の目的はあくまでも「旅」なのだ。
そして旅行で見つかる「新しい自分」なんて、しょせんはその程度の安っぽいものでしかない。
東南アジアを旅して、命の大切さを知った?
ヨーロッパ各国を回って、歴史と文化の重みを知った?
珊瑚礁の島で、環境問題の大切さを知った?
なんて下らない連中だろう。
そんなことも知らなかったのか、というだけの話だ。
私は海外旅行が悪いと言ってるわけじゃない。
海外でしか得られない経験は多いし、海外に出ることによって日本の素晴らしさを再認識することも多々ある。
小銭と時間のあるうちに、好きなだけ旅行すればいい。
ただ、素直に「海外旅行が好きだから」と言えばいいものを、わざわざそこに「自分探し」なんて安っぽい冠をつけたがる風潮が気に食わないのだ。
ほんとうに自分探しとやらをしたいなら、お遍路さんでもやってるほうがよほど理屈に合っている。
そして困ったことに、最近では「自分探し」と「仕事探し」をイコールで結びつけて考える風潮まで出てきた。
営業なんかやりたくない。なぜなら「自分らしくないから」。
そして「もっと自分らしい仕事、もっと面白い仕事があるはずだから」。
そんなバカ野郎どもが増えてきたのだ。
そして延々と「自分探し」を続け、結果としていつまでも定職に就かず「仕事探し」を続けることになる。
こんなもの「自分探し」の名を借りた現実逃避でしかない。
そう、自分探しを強調する連中ほど、ほんとうは「自分」を見つけたくないのだ。
本当の自分、ちっぽけな自分、無力で情けない自分を認めるのがイヤだから、いつまでも「探し」続けている。それだけなのである。
仕事は探せ!
そして職に就いてからも、探し続けろ!
新たな顧客、新たなマーケット、新たなビジネスチャンスを探し、それを現金化する。
それが仕事である。
しかし、自分は探すな。
必要なのは「自分探し」ではなく
一段ずつ自分を積み上げていく
「自分づくり」なのである。
ストレスの正体を暴き出せ
自分が心のどこかにリセット願望を持っていると思うなら、その結果として転職や独立を考えているとするなら、まずは自分を苦しめるストレスの正体を見極めるべきだ。
ひと口に「職場のストレス」といっても、ストレスの対象は人それぞれなのである。
たとえば、
いつクビになるか、いつ減俸されたり左遷されるかばかりを考え、それがストレスになっているという人。
こういう人は、そのまま会社に残ったほうがいい。
独立でもしようものなら、毎月の資金繰りを考えるだけでパニックになってしまうだろう。
独立してうまくやっていくには、能力の高さはもちろん、「いざとなったらどうにかなる」的な大らかさも必要だ。
孤独や不安に耐えられるだけの図太さ、自分の能力を信じる強さが求められるのである。
また、バカな上司に使われるのがストレスだという人。
このタイプは、転職したところでストレスがなくなるわけではない。
転職した先にも、間違いなく同じくらいバカな上司はいるし、その下で働かなくてはならないのだ。
彼に残された選択肢は、独立しかないだろう。
転職の落とし穴についてはこちらの記事も参考にしてみてください。
そして、とにかく通勤時の満員電車がイヤだという人。
毎朝、満員電車に揺られるだけでテンションが下がり、疲れ果てた状態で仕事がスタートするという人。
こういうタイプは、満員電車に揺られずにすむよう会社の近くに引っ越すか、あるいはいっそのこと独立して在宅勤務にするのがベストである。
以上、思いつくままにいくつか例を挙げてみたが、実際はこんなに簡単に答えが出るものではないだろう。
誰それという特定の上司にストレスを感じているように思えても、じつは「人の下で働く」という状況そのものに、強いストレスを感じているのかもしれない。誰が上司になったところで、ストレスは消えないのかもしれない。
営業という仕事にストレスを感じているように思えても、じつはノルマを達成できない自分に腹を立てているだけなのかもしれない。
毎月ノルマを達成できるのなら、営業が大好きになるのかもしれない。
部署内の暗い雰囲気にウンザリしていても、じつは他ならぬ自分こそが暗い雰囲気をつくる元凶になっているのかもしれない。
自分がなににストレスを感じるのか、というのはこれほど難しいテーマなのだ。
しかもストレスは、気づかないうちにたまり、気がついたときには手遅れになっていることが多い。
特に対人コミュニケーションが苦手で、これといった趣味もなく、国々の生活の中でガス抜きすることが下手な人は、百熱に暴発する(キレる)可能性が高い。
周囲の者からすれば、いちばん厄介なタイプである。
コミュニケーションについてはこちらの記事も参考にしてみてください。
転職や独立というと、人はすぐに「自分の得意分野」や「自分が好きなこと」を考えようとする。
そして「好きなことを仕事にする」というわけだ。
これは完全に間違った思考法だ。
第一に考えるべきは自分の苦手分野であり、「自分はなにに対してストレスを感じるのか」なのだ。
そして「好きなことを仕事にする」のではなく、「嫌いじゃないことを仕事にする」という意識を持つべきなのだ。
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