いわゆる成人病や更年期障害が発現してくるのは、「中年」という年代が男にとっても女にとっても、肉体的・精神的に不安定な時期だからです。
また、それに加えてストレスも非常に過大になる年頃でもあります。
そこで、からだから見ると「中年」とは何か?
中年の定義とは?また中年とは何歳からいうのか?
今回は、中年とは何歳からいうのか?ライフスタイルに変化を加え危機と不安に備えるべき理由と「中年」をどう乗り切っていけばいいのかについて考えてみます。
老化現象が出てくるあたりからが「中年」
からだから見ると、″中年″というのはどのようなことなんでしょうか?
人生の年齢区分については、いろんな考え方がありますが、ただ、人間のからだやこころというものを年齢でクリア・カットするのはなかなか難しいです。
一般的に40~50代あたりが中年となるんでしょうが、個体差があって、たとえ同い年であっても、からだやこころも同じレベルにあるとは言えません。
だから、年齢的にいつから中年というのは、なかなか規定できないんですが、からだの面から考えると、老化現象が出てくるあたりからが中年と言っていいでしょうね。
老眼が出てくる。
白髪が出てくる。
歯なども急に悪くなってくる。
からだの中で言えば、血管の内部にコンステロールがたまって硬化を起こしてくる・・・こうした老化現象が、からだのいろんなところで、人によって早ければ40代のはじめから起きてくるわけです。
これらは病気じゃない。
老化のはしりなんです。
老化は加齢による生理的変化!自覚があれば「中年」
老化現象というのは一体なんなんでしょうか?
若いときのからだの機能を″正常″だとすると、年とってから起きるからだの機能不全が老化だといえます。
そうしたいろんな機能のおとろえが加齢とともにだんだんと起こってくる生理的変化。
だから老化というのは、止めようと思っても止めようがないのです。
病気というのは、治療すれば治るという意味でこれは可逆的。
しかし、老化というのは
加齢によって起きる生理的な現象であり、加齢とともに進行する不可逆的な現象。
こうした現象が起きてくるのが中年という年代です。
人間の成長・発達というのは、だいたい20代半ばがピークで、後は老化の一途だと言われます。
だけれども、30代では、あまり老化ということをからだがまだそんなには感じないですよね。
だから、見かけは元気です。
元気だし、男性の場合で言うと仕事が忙しくなってくるから、いろいろ無理をしたりするんですが、そのうちに、からだの機能低下や変調をからだ自身が感じるようになってきます。
それまでは「元気、元気」でやってこれたのが、非常に疲れやすくなったとか、腰が痛むようになったとか、そういうものを感じるようになってくるのです。
老化によって起きるからだの変化というものを、肉体的に自覚症状として感じるようになってくる
――それが中年だ!ということもできるでしょうね。
ホルモン分泌の変化!連鎖して起こる更年期障害
からだには、からだのバランスをとる〈ホメオスタシス〉(恒常性)というセルフコントロール機能がありますが、そうしたところにも、老化の影響というものは出てくるものなんでしょうか?
もちろん!免疫機能というものは加齢とともに落ちてきます。
それから自律神経の機能もだんだん不安定になってくるのです。
ホルモンの働き、これはそう顕著ではないですが、やはり加齢とともにホルモンの分泌機能も落ちてきます。
その最たるものが女性ホルモンで、女性は40代の後半あたりから月経が閉止して、女性ホルモンの分泌が非常に少なくなってきます。
それに伴って出てくるのが、いわゆる<更年期障害>というものです。
更年期障害とは
肉体的にはそういうホルモンの異常ということだけれども、それに関連して血圧が上がったり、動脈硬化が進んだり、ということがそこに起きてきます。
あるいは骨からどんどんカルシウムが抜け出して骨粗鬆症が起き、腰の痛みや、ひざの痛みというものが付随して起きるんですね。
免疫能、自律神経、ホルモンというのは相互に関係していますが、そうすると、ホルモンの分泌が変わってくることによって、自律神経が影響を受けるから精神状態も不安定になる。
そういうことです。
だから非常にイライラしたり、カッカしたりという精神的不安定な状態が起きてくるのです。
それに、そういう年齢の前後になると家庭の中にいろんなトラブルが起きる時期なんです。
子どもたちが大学ヘ行く年齢になる。
夫婦間のあり方が問題になる時期だし、老後ということを考え始めなければいけない時期でもある。
夫が浮気をするというようなこともあったりする(笑い)。
そういう時期が更年期というものとぶつかってくるわけです。
そうすると、それがきっかけになって、血圧が上がったり、心臓にきたり、というようなことが起きてしまう。
いろんな背景があり、そこに精神的なコンフリクション(葛藤)が加わって、その結果、更年期障害プラス心身症も起きるであろうし、ノイローゼも起きるであろうし、うつ病も起きるであろう、というわでです。
つまり、ちょうどからだの変調期に当たっているんですね。
成人病は生活習慣病!つまりライフスタイルの問題
中年というと、セットで語られるものにいわゆる成人病があるんですが。
ところが、近年は中年に起きるとばかりは言えないのが成人病なんです。
どんどん低年齢化しているのです。
これらは、一つには人間の早熟傾向があると思います。
女の子の初潮が早くなっているし、いまの子どもの体格も昔とは比べものにならないほど大きくなってきました。
そうした早熟化に加えて、生活のあり方が問題なんですね。
高カロリーの食生活と運動不足。
それが肥満を招いたり、肥満から糖尿病になったりします。
高血圧は、肥満もあるし、塩分のとりすぎということもある。
それから、これは人問題ですが、喫煙の低年齢化も進んでいます。
はっきり病気として出なくとも、現代人のほとんどは潜在性の成人病を抱えてしまうような生活を送っている。
それでいま、20代、30代の心筋梗塞が急激に増えているんです。
もはや成人病は中年の病気ではないんです。
ということは、
成人病は加齢にともなって出てくるものではなく、ライフスタイルの問題なのです。
成人病というのは、子どものうちからの不適切なライフスタイルの結果が中年になって出てきたものなんだと。
ということは、成人病の問題は、
こと中年期にさしかかった自分たちだけの間題ではなく、自分たちのライフスタイルがその予備軍を作っている、ということで、子どもにとっても大きな問題なんです。
そうすると、成人病対策としてだけでなく、ライフスタイルを変えるということを考えることは、現代人みんなにとっての問題であるわけです!
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そこで入院させて、まず目方を減らす。
そうすると血圧も下がる。
糖尿もよくなる。
コンステロールや中性脂肪も下がる。
ところが、患者の多くが一年もしないうちに元どおりになってしまう。
それはなぜか??
治ったということで、みんな入院前と同じ生活に戻ってしまうからです。
ちっともその原因を考えようとしない。
これでは元の本阿弥だし、″医療費の無駄遣い″というのは、こういうことを言うんです。
男も女も中年期は肉体的・精神的に不安定な時期
以前、あるところで、中年期というのはそうした成人病の問題はもちろん、ストレスも多く、とくに男性の場合は50歳目前で倒れるケースが多いという話を聞きました。
50歳を過ぎれば老化も安定期に入るから、40代をいかに乗り切るかが問題だと。
たしかに50歳目前で亡くなるケースは最近多いです。
それは、中年期というのは肉体的だけでなく、精神的にも不安定な時期だからだと言えます。
男の40代だと
仕事においては役職について
責任も持たされる。
それが大きなストレスになります。
そういう仕事上のストレス、それから人間関係のストレス、あるいはさっきいったような家庭内のストレス。
そういうものが集積してくる。
では、それを解消するような生活をしているかというと、まったくやっていないのです。
食生活はあい変わらずだし、運動もたいしてやっていない。
ストレス解消だといってタバコが増えたり、仕事もからんで酒を飲むことも多くなる。
だからといって、人間ドックに積極的に入ったりするかというと、入らない。
あそこが悪い、ここが悪いと指摘されるのが嫌だからです。
嫌だということは、自分の生活がダメだということを百も承知しているから(笑い)。
そのとどのつまりに、心筋梗塞や脳卒中を起こしたり、ガンになったりして、いま、40代でバタバタ死んでいます。
老化現象が起きているところに、成人病が発現する。
そして、そこに精神的負担が大きくのしかかる。
その意味では、男にとっても40代後半というのは更年期とは言わないけれど、精神的・肉体的な節目なんですね。
では、中年期はどう過ごしたらいいんでしょうか?
ひとことでは言えないけれど、食生活をはじめとして、まずライフスタイルを見直すことが第一です。
タバコを吸っている人は禁煙、太っている人は体重を減らす。
それから、ストレス・コントロールする方法を身につける。
適度な運動(ウォーキングは最適です)もストレス・コントロールには非常に役立ちます。
適量のアルコールもストレス解消に役立ち、飽食とかぜいたくといったことではなく、趣味をもって別の意味でできるだけ人生をエンジョイすることを考える。
そうやって、不安定な時期をうまく乗り越えて、豊かで健康な老齢期を迎えてほしいと思います。
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